201512/17

サプリメントとは?特定保健用食品と健康補助食品の基礎知識

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サプリメントを飲む女性

あなたは利用していますか?サプリメントや健康食品
消費者委員会が全国の消費者3万人に対して行ったアンケート調査では、およそ6割の人が健康食品を利用している、と回答しています。

消費者が健康食品を利用する頻度

健康食品を利用していますか?出典:消費者委員会 健康食品の利用に関する実態調査

一方、アサヒホールディングスによる調査で、サプリメントの利用目的は男女ともに1位が疲労回復、2位は女性が美容目的、男性が栄養不足を補うため、と答えています。また、今後利用してみたいサプリメントは男性がDHAやウコン女性ではコラーゲンやヒアルロン酸などが挙げられています。

サプリメントに関する意識調査出典:アサヒグループホールディングス

このアンケートに対する回答ではさまざまなサプリメントの名前が挙がっていますが、これらのサプリメントが本当に効くかどうか、みなさんはどのように判断しているのでしょうか。

実は、サプリメントには大きく分けて、栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品の3種類があり、それぞれ定義が異なります。これらのカテゴリーに該当しないサプリメントは一般の食品として区分され、効果効能をうたうことが法律で禁じられています。しかし、そんな一般の食品として区分されているサプリメントの中には、医薬品としても使われている成分もあるのです。

複雑怪奇なサプリメントの種類、本当に効くのか効かないのか、副作用や飲み合わせはどうなの?本当に効かせる飲み方とは?最後までよく読んで、サプリメントを賢く利用しましょう。

サプリメントの分類

1.栄養機能食品

栄養機能食品とは栄養素の持つ機能を表示して販売されているサプリメントです。栄養機能食品はビタミンとミネラルに限られており、1日の必要量に対する摂取割合などが記載されています。

ビタミン

ビタミンA(βカロテン)
ビタミンAは動物や魚の肝臓、卵などに多く含まれている脂溶性のビタミンで、皮膚や粘膜を正常に保つために欠かせないビタミンです。ビタミンAが欠乏すると皮膚や粘膜が乾燥したり、眼が乾燥して視力が低下したりします。網膜で光を感じる物質の原料でもあり、暗い所でものが見えづらくなる夜盲症もビタミンAの欠乏症です。

ビタミンAは過剰に摂取すると食中毒のような症状を起こしますが、緑黄色野菜に含まれるβカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため、安全にビタミンAを補給することができます。しかし、サプリメントとしてとる場合は、過剰摂取に注意しなければなりません。

ビタミンB群
ビタミンB群はビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8種類を総称した呼び名です。脂質、糖質、タンパク質の代謝に欠かせないビタミンですから、ビタミンB群が不足するとエネルギーを効率よく使うことができません。また、新陳代謝にも不可欠ですので、肌のターンオーバーにも重要な栄養素です。

ビタミンB群が不足するとエネルギーの燃焼効率が悪くなってやせにくくなりますし、美容にもなくてはならないビタミンです。ビタミンB群はそれぞれが連携して働くため、バランスよく摂ることが大切なのと、水溶性のため体内にとどまる時間が短いので、食事のあとにきちんと摂るように心がけてください。

ビタミンCとビタミンE
ビタミンCは水溶性の抗酸化ビタミンで、ビタミンEは脂溶性の抗酸化ビタミンです。このふたつのビタミンはお互いに連携して細胞膜の酸化を防いでいます。このふたつはともに活性酸素を消去する抗酸化能をもちますが、細胞膜はリン脂質という脂質でできているので、脂溶性のビタミンEが膜の参加を防いでいます。

ビタミンEは細胞膜の活性酸素を消去することで自らが酸化してしまい、抗酸化力を失います。この酸化してしまったビタミンEを再生するのがビタミンCの役目です。ビタミンEを再生したビタミンCもまた酸化されてしまいますが、酸化されたビタミンCはグルタチオンというアミノ酸からできた別の抗酸化物質に再生してもらいます。

このふたつのビタミンとビタミンAとを合わせ、美白と美肌に欠かせないビタミンのエースという意味を込めてビタミンACEと呼びます。

ミネラル

ミネラルは亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅の5種類です。カルシウムは骨の材料として知られていますが、実はマグネシウムとともに細胞の内に出たり入ったりして、筋肉の収縮と弛緩を制御しています。このふたつのミネラルは心臓の鼓動や血圧の調節、骨格筋の運動や神経の伝達に欠かせないミネラルです。

鉄は赤血球の形成に必要なミネラルで、貧血といえば鉄不足と思いがちですが、実は銅がないとうまく赤血球を作ることができません。銅の不足は貧血だけでなく、血液全般の障害や免疫機能の低下を招きます。しかし、銅は普通の食事で不足することはまれなので、サプリメントからとる場合はマルチミネラル程度で十分です。

サプリメントの利用調査で男性に人気の高い亜鉛ですが、これは亜鉛が男性の性機能を強化するといううわさがあるからでしょう。実際には亜鉛をとったからといって性機能が向上することはありません。精子は1日に1億個くらい作られますが、精巣の貯蔵量は10億個程度です。1回の射精で数億個が失われるので、精子細胞の分化にも必要な亜鉛は確かに重要です。

しかし、ほかのビタミンやミネラルもそうですが、その人が本来持つ機能以上にパフォーマンスを向上することはできません。ビタミンやミネラルなどの栄養機能食品は本来からだが持つ機能を維持し、低下しないようにするために飲むサプリメントと心得ましょう。

特定保健用食品(トクホ)

特定保健用食品、いわゆるトクホはからだの機能に影響を与える成分を含んでおり、その効果を表記することのできる食品です。個々の製品単位で消費者庁長官の許可を受けており、栄養機能食品と合わせて保健機能食品と呼んでいます。

トクホも種類が増えてきている

トクホも最近は種類が増えて、これまでのトクホで許可された件数の多い成分については個別製品ではなく、規格基準を満たしていれば許可を受けられる「規格基準型トクホ」や、従来のトクホレベルではないが、有効性に一定の科学的根拠が認められる製品に許可される「条件付きトクホ」などがあります。

トクホの中で特に人気が高いのはなんといっても「身体に脂肪がつきにくい」トクホでしょう。しかし、この種のトクホも成分はさまざまで、代表的なものには、食物繊維の難消化性デキストリン、ポリフェノール、カテキン、DHA、中鎖脂肪酸などがあります。

キリンメッツコーラ(難消化性デキストリン)

キリンメッツコーラ
健康食品の安全性・有効性情報

サントリー黒烏龍茶(ウーロン茶ポリフェノール)

サントリー黒烏龍茶
健康食品の安全性・有効性情報

ヘルシア緑茶(茶カテキン)

ヘルシア緑茶
健康食品の安全性・有効性情報

DHA入りサーラソーセージ(DHA/EPA)

DHA入りサーラソーセージ
健康食品の安全性・有効性情報

ヘルシーリセッタ(中鎖脂肪酸)

ヘルシーリセッタ

健康食品の安全性・有効性情報

機能性表示食品

機能性表示食品は2015年4月にスタートしたもっとも新しい制度で、消費者庁や厚生労働省など国の機関による審査は受けず、事業者の責任で表示される届け出制の食品表示制度です。機能性の評価については、

  • 最終製品による臨床試験
  • 最終製品または機能性関与成分に関する文献調査(研究レビュー)

のいずれかで行われます。

機能性表示食品は理論的には効果があが、製品自体での評価試験はしていない

最終製品での臨床試験には多額の費用がかかるため、多くは文献による科学的裏付けを機能性の根拠としています。表示される内容は「この製品には○○が含まれます。○○はおなかの調子を整える作用があることが報告されています」というようなもので、トクホに似た表記ですが、実際の臨床試験ではなく、あくまでも論文を根拠としているので、「報告されています」とか「確認されています」という表現となっています。

かんたんにいうと機能性表示食品の多くは、「理論的には効果があるはずだが、その製品自体での評価試験はしていない」というものです。2015年10月までにおよそ170件の届け出がありましたが、難消化性デキストリン、ビフィズス菌、DHA/EPAなど、これまでにもトクホとしてなじみ深いものが少なくありません。

機能性表示食品はサプリメントや健康食品などの加工食品だけでなく、生鮮食品にも機能性の表示が可能です。静岡県の「三ケ日みかん」はβ-クリプトキサンチンという天然成分について「骨代謝の働きを助けることにより、骨の健康に役立つことが報告されています」としています。

また、美容に人気の成分でありながら、これまでその機能を表示できなかったコラーゲンやヒアルロン酸も登場してきました。

プレミアリッチ パーフェクトアスタ ヒアルロン酸パウダー

ヒアルロン酸パウダー

その他のサプリメント、健康食品

保健機能食品(栄養機能食品とトクホ)にも機能性表示食品にも該当しないサプリメントや健康食品は一般の食品として扱われます。これらは「いわゆる健康食品・サプリメント」とされており、機能性や効能効果は一切表示することができません。何かに「効く」とか体のどこかを「治す」「健康にする」などという表示をすると薬事法により「無認可医薬品」として取り締まりの対象となります。

過剰摂取は副作用が出る危険がある

しかし、これらの「いわゆるサプリメント」の中には、医薬品成分を使用しているものもあります。ダイエット・サプリメントとして人気のコエンザイムQ10、αリポ酸、Lカルニチンはいずれも処方薬として使われている成分です。サプリメントだけでなく清涼飲料水に含まれるカフェインも医薬品成分のひとつです。

これらは効果効能をうたわない限り「食品」や「食品添加物」として扱われますが、本来は医薬品ですから、過剰に摂取すれば副作用が出る危険があります。たとえばαリポ酸は体質によっては低血糖を引き起こしけいれんや昏倒を起こすことがあるため、厚生労働省でも注意を呼びかけています。

厚生労働省:αリポ酸に関するQ&A

お酒好きの間で人気の高いウコンでも副作用とみられる健康被害があります。これはすでに肝硬変を起こしている患者さんが、ウコンのサプリメントを毎日継続して摂取したために、逆に肝臓の負担となってしまい病状を悪化させた例です。

また、海外でメディカルハーブとして使用されているイチョウ葉、ノコギリヤシ、セントジョーンズワートなどは医薬品と併用すると薬の効果を弱めてしまったり、逆に医薬品の効果を強めて副作用が現れたりすることがあります。これらのサプリメントと医薬品との併用は絶対に避けなければなりません。

インターネットなどで販売されている強壮サプリやダイエットサプリには日本で禁止されている危険な薬物が混入していることがあります。強壮サプリではバイアグラの主要成分が使用されていたり、ダイエットサプリには向精神薬や覚せい剤の原料となる成分が使われていることがあります。

これらの成分はいずれも心臓に過大な負担をかけて、命に係わる副作用を発現することがあります。特にカフェインやアルコールとの併用では大変危険な状態に陥ることが少なくありません。海外製で何が使用されているかわからないようなサプリメント・健康食品は利用しないようにしましょう。

まとめ

年代や性別を問わず多くの方が愛用するサプリメントですが、日本では法律により細かな規制がかけられています。また、製造メーカーと販売業者が異なる場合が多く、品質や主成分の含有量にばらつきが大きいのもサプリメントの特徴です。大切なのは目的にあった製品を選ぶこと、信頼できる製造メーカーの製品であまり高くないものを選ぶことです。

しかし、現実にはサプリメントの効果は医薬品のように劇的なものではありません。サプリメントの言葉の意味は「補助」であり、決してメインではないのです。メインとなるのは目的に対する自分の意思であり、食生活の改善や運動習慣の継続です。自らの努力に隠し味としてプラスするのが正しいサプリメントの使い方なのです。

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