201512/03

肌荒れのないキレイな美肌になるための皮膚常在菌育成法のまとめ

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乾燥気味でかさついている肌荒れ女子としては、白く透き通るようなもち肌にとてもあこがれます。でも、白く美しい健康肌のほうが、肌荒れの皮膚よりも多くの細菌が棲みついていることをご存知でしょうか。

皮膚上に棲みついて、肌を健康に保つ働きをしてくれる細菌たちを皮膚常在菌といい、肌荒れのないきれいな素肌になるためには皮膚常在菌の存在が欠かせません。肌荒れをなくしてすべすべのもち肌女子になるために、とっておきの皮膚常在菌育成法を教えちゃいます!

皮膚常在菌とは

私たちの生活している環境は、細菌やウイルスなどの微生物がいたるところに棲息しています。細菌のいない環境は自然の中ではありえず、人工的につくりだした無菌室以外では私たちは細菌と共生していかなければならないのです。

細菌と聞くと、食中毒を起こしたり病気の原因になったり、とかく悪いイメージがついてまわりますが、実は人間にとって細菌はなくてはならないものなのです。たとえば、腸の中には100種以上、100兆個を超える数の細菌が棲みついています。これらの細菌の中には、人間では消化できない食物繊維を分解してエネルギーをつくり出したり、正常な便通を維持する菌もいます。

ほかにも、ビタミンKやビタミンB群のほとんどは腸内細菌によってつくられています。また、鉄分の分解や吸収、正常な免疫機能を保ちアレルギー反応の予防にもなくてはならない存在、それが善玉菌といわれる腸内細菌です。

皮膚の上にも腸内と同様、さまざまな細菌たちが棲みついていますが、皮膚の表面には表皮ブドウ球菌、毛包や皮脂腺にはアクネ菌が棲みついて人に有用な働きをしています。一方、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌、カンジダ菌などの悪玉菌も皮膚上に棲息していますが、普段は善玉菌に抑え込まれているためおとなしくしています。

皮膚常在菌と皮膚バリア

健康な皮膚では表皮の最も外側、角層の表面に皮脂膜という天然のバリアがあり、外部からの刺激や病原菌の進入を防いでいます。しかし、なんらかの要因で皮脂膜が失われてしまうと、皮膚はたちまち乾燥して外部からの攻撃にさらされてしまいます。

健康な皮膚とドライスキン

健康な皮膚とドライスキンの図解出典:乾燥肌のためのスキンケア

毛穴にはアポクリン腺という汗腺と皮脂腺があります。皮脂腺からはトリグリセリドという脂肪が分泌され、常在菌の分解酵素で脂肪酸とグリセリンに分解されます。分解されて遊離した脂肪酸は弱酸性の膜として皮膚上を覆い、アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が増殖するのを防いでくれます。

また、皮脂膜は外部からの刺激から皮膚を守ると同時に、皮膚の中にある水分の蒸発を抑え、天然の乳液として肌のうるおいを保っているのです。もしも、皮膚の上から皮膚常在菌がいなくなってしまったら、たちまち皮脂膜は失われ、皮膚は乾燥してかさかさになり、黄色ブドウ球菌や緑膿菌などの悪玉菌が繁殖して、皮膚炎を起こしてしまいます。

実はこれがアトピー性皮膚炎の正体で、アトピー患者の皮膚は常在菌のバランスがくずれて黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が繁殖しやすい環境になっているのです。さらにかゆみをこらえきれず搔き壊してしまうと、アルカリ性の細胞の内容物があふれだして、さらに悪玉菌の増殖を招いてしまいます。

アトピー性皮膚炎まではいかなくても、いわゆる敏感肌の人の皮膚は常在菌が少なく、乾燥や悪玉菌の繁殖しやすい体質と言えるでしょう。さらに、精神的なストレスやかゆみによる肉体的なストレスは、皮膚上の立毛筋という筋肉を収縮させて血行や体液の循環を悪くしてしまい、乾燥をもたらし新陳代謝を妨げて悪循環に陥ってしまいます。

皮膚常在菌育成法

そんな皮膚常在菌が元気に働いてくれるためには、いったいどうすればいいのでしょうか。
洗いすぎない
皮膚常在菌は水で洗うだけで、その多くは洗い流されてしまいます。しかし、皮脂が十分にあれば毛穴に残った常在菌は数十分から数時間でもとどおりになります。洗顔料や界面活性剤の添加された洗浄剤などで皮脂を洗い落としすぎてしまうと、常在菌はすぐには戻ってこられず、皮脂膜が十分に形成されにくくなります。

悪玉菌の繁殖を許さないように、洗いすぎには十分注意してください。洗顔料を使用しての洗顔は夜だけでよく、朝は水で軽く洗うだけで十分なのです。また、メイク落としや手指の消毒に使うアルコールも同様に常在菌を殺してしまいます。休みの日はなるべくメイクをしない、消毒は必要最小限にとどめる、など肌への気配りも忘れずに。

乾燥を防ぐ

皮膚常在菌に限らず細菌は乾燥が苦手です。水分がなければ増殖することができないため、肌の乾燥を防ぐことが大切です。皮膚のもっとも外側の角層は、細胞と細胞のあいだにセラミドなどの細胞間脂質あり、水分を保持しています。

皮膚表面の乾燥は角質の水分を蒸発させやすくなり、常在菌の棲み家が失われてしまいます。肌が乾燥しないように、手や顔を洗った後にはクリームや乳液で必ず保湿ケアをしましょう。

また、エアコンを使用した冷暖房は空気の湿度を必要以上に下げてしまい、皮膚や粘膜を乾燥させがちです。お肌の保湿ケアだけでなく、室内の温度や湿度にも気を配るよう心がけましょう。

角層の細胞間脂質(イメージ図)

表皮の断面図出典:花王スキンケアナビ

定期的な運動で汗腺を鍛える

皮膚上にはアポクリン腺とエクリン腺という感染があります。わきの下や陰部の毛穴にはアポクリン腺があり、ここから分泌される汗の主成分は細胞の内容物で、脂肪やミネラルなどを含んでいるためべたべたしています。一方、毛穴とは別に独立して存在するエクリン腺から分泌される汗は99%が水分でサラサラの汗です。

エクリン腺から分泌される汗もミネラル分を含んでいますが、このミネラルは再吸収されて血液に戻されるので、エクリン腺からの汗はサラサラしています。しかし、汗をかきなれていないひとはミネラルの再吸収システムがうまく働かず、ミネラルの多いべたべたの汗をかいてしまいます。

ミネラルの多い汗のpH(ペーハー)はアルカリ性で、悪玉菌の繁殖を招いてしまいます。特に、敏感肌の人が運動不足になると、悪玉菌が繁殖してかゆみのある湿疹がおこるため、さらに運動から遠ざかるという悪循環につながりがちです。敏感肌の人ほど、運動でエクリン腺を鍛えてサラサラの汗をかく習慣を身につけたいものです。

皮脂腺と汗腺(イメージ図)

皮脂腺出典:花王スキンケアナビ

皮膚の上には表皮ブドウ球菌やアクネ菌のような善玉菌だけでなく、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌、白癬菌なども棲んでいます。皮膚常在菌が元気で弱酸性の皮脂バリアがあるときは黄色ブドウ球菌などの悪玉菌もおとなしくしていますが、皮脂バリアが十分でなかったり、一時的に免疫力や抵抗力が落ちた時などは、普段はおとなしいマラセチア菌による日和見感染が起きたりもします。

しかし、通常は皮膚の上で善玉菌と悪玉菌、その中間の日和見菌がバランスよく拮抗しているので悪玉菌は暴れ出せません。新たな病原菌が飛来してきても入り込む余地がないため、感染を起こさずにすむのです。また、善玉菌による分泌物には他の悪玉菌が増殖するのを防いでくれる働きがあります。

皮膚の上にはまるで色とりどりの花が咲き乱れるように、細菌たちのお花畑(フローラ)が形成されています。お肌の健康を保つためには、きちんと細菌フローラのバランスがとれている必要があるのです。

杜氏の手はどうしてきれいなの?

お酒造りに従事する職人さんを杜氏といいますが、杜氏の手は透き通るように白くて美しいといわれています。なぜ杜氏の手はきれいなのでしょうか。

お酒造りのほかにも、味噌や醤油など発酵食品に欠かせないのが麹(糀)。麹の正体は麹菌という微生物で、デンプンやたんぱく質を分解する多種多様な酵素を産生することが知られています。日本では古くから麹を用いてさまざまな発酵食品をつくりだしてきましたが、日本酒や焼酎などの酒類も麹による発酵を利用してつくられます。

麹菌が産生する酵素でグルコースなどの糖を発酵させると、コウジ酸という化合物が生成されることが知られています。お酒造りでは蒸したコメに麹菌をふりかけて素手で混ぜ合わせる作業が行われますが、コウジ酸にはお肌のシミのもとであるメラニンを合成する酵素を不活化させ、肌を白くする働きがあるのです。

私たちの皮膚にある細胞が太陽光に含まれる紫外線を受けると、発生した活性酸素によって細胞が傷つけられて炎症を起こします。すると細胞からサイトカインという情報伝達物質がメラノサイトに伝わり、紫外線を遮るための色素メラニンを生成するのです。コウジ酸にはメラニンの原料となるチロシンに働く酵素を阻害してシミを防ぐ働きがあります。

また、皮膚にあるコラーゲンなどのたんぱく質に糖が結合して起こる「糖化」から生まれる、「AGEs」という肌のくすみのもととなる物質を抑える作用もあります。だから杜氏の手は透き通るように白く美しいのでしょう。

コウジ酸の美白へのアプローチ出典:三省製薬 デルメッド

 

麹菌が皮膚バリアを改善する

私たちの皮膚表面、角層は角化細胞の間を埋め尽くすように細胞間脂質が存在しています。細胞間脂質は主にセラミドで、脂質でありながら親水性が高く大量の水分を保持することができます。細胞間脂質のおかげで私たちの肌はうるおいと弾力を保っているのです。

ところが、洗浄剤や石けんなどで皮脂膜による皮膚バリアが洗い流されると、セラミドも流出してしまい、肌荒れを起こす原因となります。そこで、皮膚の外側からセラミドを補う研究が化粧品会社により進められてきましたが、最近になって、麹菌の仲間にセラミドの修復を促す機能があることが発見されました。

佐賀大学農学部の研究で、焼酎の製造過程で出る焼酎かすの中に、肌で保湿機能を果たしているのと同じスフィンゴ脂質(グルコシドセラミド)が含まれていることが発見されました。後に、このセラミドは焼酎の発酵に使用される白麹菌によることが明らかになり、製薬会社との共同研究が進められています。

「発酵セラミド」と命名された白麹菌抽出物を培養した表皮組織に添加するとセラミドの量が増加するだけでなく、皮膚のバリア機能を高める遺伝子の発現が認められました。化粧品やサプリメントなど、発酵セラミドの今後の製品開発に期待が持たれています。

まとめ

肌荒れのないきれいな肌を維持するためには、皮膚上に棲息する皮膚常在菌を大切に育てなければなりません。また、悪玉菌や日和見菌も、健全な細菌フローラ形成のためには必要で、重要なのはそのバランスです。

行き過ぎた清潔志向やニオイへの嫌悪感や恐れから必要以上に洗いすぎたり、快適な生活を求めるあまりエアコンを多用する生活は、皮膚常在菌にとって住み心地のよい環境ではないでしょう。人間も自然の一部であり、細菌や微生物と共生していることを忘れてはいけません。

人間だけに心地よい環境は共生する他の生物を苦しめている可能性があります。人にも微生物にも配慮した生活をすることが、健康や美肌への近道なのではないでしょうか。


この記事では、アンジェリーナ・ジョリー・ピット(Angelina Jolie Pitt)の写真を使用させて頂きました。

次は、インナーマッスルで深層筋を鍛えて「美ボディ」になるわ!

インナーマッスルトレーニングで美ボディになった女性


 

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