201512/03

アトピー肌の人のための合成界面活性剤化粧品選びのコツ

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キレイなメイクをしている女性

女性にとって、スキンケアと並んで重要なテーマ“メイク”。スッピンだと、外出してもイマイチ自信が持てませんよね。アトピーの症状があれば、なおさらメイクで隠したくなります。

しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんには、メイク用品など化粧品が原因で、症状を悪化させてしまう人が少なくありません。

30~40代の女性が圧倒的に多く、これは、若い頃に化粧品を使いはじめ、その後もずっと使い続けた結果、発症したため。ほとんどの化粧品には「合成界面活性剤」が使われているので、その害が年数を経て噴出したのです。

「ガンコな油汚れも落とす!」「おどろきの洗浄力!」とCMをしている洗濯用洗剤や食器洗い用洗剤がたくさんありますが、これは合成界面活性剤の作用の効果。しかし、デリケートな肌に使うための、メイク落としや洗顔料、ファンデーションなども、同じメカニズムを利用しているのです。

このように、合成界面活性剤には多くの作用があり、化粧品の用途に応じて数種類の合成界面活性剤が配合されていることがほとんどです。

化粧品が原因のアトピー性皮膚炎の場合、シャンプーやリンスが原因の場合と同じように、ほとんどの患者さんに、目の周りがかゆくてカサカサするという症状が出ます。

目の周りは元々皮膚が薄く、皮脂膜も薄いため、顔の中でも最も乾燥しやすい部位です。症状がひどい場合は顔全体が赤くなり、かゆみも出てきます。それでも、「これからは化粧品を一切使ったらダメです」と言われて、それを厳密に守って生活するのは難しいかもしれません。

そこでこれから、「アトピー性皮膚炎の人のための メイクアイテム選びのコツ」をご紹介します。

安全なものを使っていれば、「また肌が荒れるかも・・・」といった不安の中で化粧品を使うことがなくなり、表情も自然と明るくなります。楽しみながらメイクすることで自信が生まれ、本当にキレイになってくるのです。

「アトピー性皮膚炎だからメイクもできない・・・」と諦めず、アトピー性皮膚炎だからこそ、正しい知識を身につけ、キレイに変身しましょう!

なぜ、化粧品には「合成界面活性剤」が必要なの?

ではなぜ、化粧品に合成界面活性剤が必要なのでしょうか?

  1. 乳化作用
    まずは、その乳化作用。
    油分100%の化粧品を肌につけると、「ベタついて気持ち悪い」ため、ある程度水っぽさがあり、なおかつ適度な油分が入っていて肌を潤してくれるものが「肌なじみのいい」「つけ心地のいい」化粧品と感じます、つまり、乳液やクリームなど油分を含む化粧品には、つけ心地をよくするために水分を配合する必要があるのです。しかし、混ぜただけでは水と油は分離してしまって、製品にはできません。そこで、水分と油分とを結びつけてくれる合成界画活性剤を配合すれば、なめらかなクリームや乳液ができ上がるのです。
  2. 油分を包み込んで取り去る
    また、合成界面活性剤の「油分を包み込んで水とともに取り去る力」、つまり洗浄作用も化粧品に配合される大きな理由です。
    洗顔料やメイクアップを洗い流すクレンジング剤には合成界面活性剤が欠かせません。特に最近は、水や汗に強いメイクアップ化粧品が増えていて、クレンジング剤にも強力な洗浄力が必要なのです。洗浄力を強くするには、より多くの合成界面活性剤を配合しなければなりません。
  3. 泡立ちを良くする
    洗顔料などに配合される合成界面活性剤には、泡立ち作用を持つものもあります。他の合成界面活性剤に比べて洗浄力は劣りますが/泡立ちを良くすることで洗顔料を肌にまんべんなく行き渡らせ、洗浄の手助けをします。
  4. 浸透させる
    さらに、美容液やクリームを塗ると肌がしっとり、そしてふっくらするのは、合成界面活性剤の浸透作用によります。化粧品の水分と皮膚の皮脂を結びつけることによって、水分を皮膚の内部に浸透させているのです。

化粧品に含まれる代表的な合成界面活性剤として、「ココイル~」「PEG~」「PPG~」から始まる名称の成分があります。化粧品のラベルに書かれている成分表をチェックしてみてください。もちろん、それ以外にもたくさんの合成界面活性剤があることを忘れてはいけません。

軽症以上ならファンデーションはNG

ファンデーションが、肌にムラなくぴったりとくっつき、汗をかいたりしても落ちないのは、シリコーンや合成ポリマーなどの化合物とともに、合成界面活性剤が配合されているからです。

合成界面活性剤不使用のファンデーションも少ないながらありますが、肌につきにくく、色ムラができてしまったり、汗で落ちてしまったりと、どうしても機能的に劣っているもの多いようです。

保湿軟膏を皮脂膜の代わりにする

「じゃあ、どうすればいいの?」という軽症以上の人におススメなのは、「フィニシングパウダー(おしろい)」です。

フィニシングパウダーはファンデーションと違って、合成界面活性剤の入っていないものも多いため、落とすときはぬるま湯で洗い流せます。それでいて、ベージュカラーがほのかについているので、ファンデーションと同じように皮膚の赤みなどを隠すここができるのも大きなメリット。

化粧下地には、合成界面活性剤不使用のオイルや、皮膚科から処方されている親水ワセリンなどの保湿軟膏を使ってください。下地をしっかりとつけることで、粉が直接、皮膚に触れないように壁を作るのです。

健康な皮膚ならば表面に皮脂膜があり、皮膚を保護してくれますが、アトピー性皮膚炎の人は皮脂膜が薄くなっていたり、あるいはなくなっている状態。そのため、保湿軟膏などを皮脂膜の代わりにするというワケです。

化粧崩れを直すときは、そのまま粉を重ねればOK。パウダーの長所は、皮膚呼吸を妨げないことと、つけ心地が良いことです。さらに、パウダーには紫外線を反射する作用もあるのです。

ただ、最近は肌なじみや化粧もちを良くするために、フィニシングパウダーにも合成界面活性剤やシリコーン、合成ポリマーを配合する化粧品メーカーも増えています。購入する際には、必ず成分表示を確かめるようにしてください。

参考:Mパウダー/Heavencos

Mパウダー/Heavencos出典:Qoo10

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症状が軽ければファンデもOK!

アトピー性皮膚炎の症状が最も軽い人は、ファンデーションを使ってもOK。

しかし、その際は、フィニシングパウダーの時と同じように、親水ワセリンなどの保湿軟膏や合成界面活性剤不使用のオイルなどをしっかりと塗り、ファンデーションと皮膚との間に壁を作って、直接肌につかないようにすることが重要です。

ちなみに、ファンデーションの合成界面活性剤の配合率は、リキッドタイプやクリームタイプよりもパウダリータイプの方が低いといわれていますが、入っていることに変わりはないので、どれも安心はできません。

参考:IOPE(アイオペ) エアクッション RX ナチュラル SPF50+/PA+++

IOPE(アイオペ) エアクッション RX ナチュラル SPF50+/PA+++ 出典:Qoo10

ポイントメイクの選び方

アイシャドウ&チーク

ファンデーションだけでなく、リップやアイシャドウなどにも、皮膚へのなじみを良くするために合成界面活性剤が入っています。

ただアイシャドウやチークカラーは、下地となる保湿軟膏などにパウダーを重ねた上につけるので、直接皮膚に触れるというものではないため、過度に神経質になる必要はありません。とはいえ、眼球やまぶたの粘膜から、合成界面活性剤が浸透することもあるので、目の際にまで化粧品をつけるようなことは避けてください。

マスカラ&アイライン

ウォータープルーフタイプのマスカラやアイラインは、洗浄力の高いクレンジングでなければ落ちません。すると目元の皮脂膜を洗い流してしまうばかりか、合成界面活性剤を皮膚の中に浸透させることになります。お湯で落とせるフィルムタイプのマスカラや、ペンシルタイプのアイラインを選びましょう。

参考:リトルウィッチ「もてますカラモイスチャーComb(匠櫛コームタイプ)

リトルウィッチ「もてますカラモイスチャーComb(匠櫛コームタイプ)

出典:Qoo10

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まつげパーマ&まつエク

まつげパーマやまつエク(まつげエクステンション)は、パーマ液や接着剤がアトピー性皮膚炎の症状を悪化させるリスクが高いので、できるだけ控えてください。
リップ&グロス

リップ(口紅)やグロスなどは、化粧品の中で最も「体内に取りこまれる」化粧品。

食事をすれば、食べ物と一緒に口紅の成分も食べてしまっているのです。できる限り、使用するのは控えてください。唇の乾燥が気になる場合は、白色ワセリンなどの保湿剤で対処しましょう。
メイクブラシ&スポンジ

メイクをする時に使うブラシやスポンジ、パフなどは、こまめに洗うこと。

メイクをした後、ブラシやスポンジ、パフには化粧品の油分や皮脂がついた状態になっています。それを放置しておくと、そこにほこりがくっついたり、ときにはカビが生えるなどしてとても不衛生です。汚れたブラシを使うということは、カビやほこりを皮膚に塗りつけているようなもの。週に1回は洗うようにしてください。

そして、可能な限りメイクをしている時間を短く抑え、帰宅したらすぐに落とすようにして、少しでも肌負担を軽くしましょう。

メイク落としを使わない オリーブオイルクレンジング

「アトピー性皮膚炎の症状が軽い人は、ファンデーションを使ってもOK」と先述しましたがしたが、やはり合成界面活性剤の使われているクレンジング剤(メイク落とし)は避けるべき。ファンデーションをクレンジングで落とすときの肌負担は、ファンデーションをつける負担よりも大きいのです。

ファンデーションには、メイクの仕上がりを良くしたり、メイク崩れをしにくくするため、皮膚にぴったりと付いて落ちないよう、シリコーンや合成ポリマーといった化合物が配合されています。そのため、皮脂膜はもちろん、角質層にまで食い込んでいることも。

そうなると当然、洗浄力の高いクレンジング剤を使わなければ落とすことができません。落ちにくいメイクを落とすということは、「皮脂膜を洗い流す」にとどまらず、「皮脂膜をはぎ取っている」と言えるでしょう。

しかし、肌にメイクの成分が残っていると、それもまたトラブルの原因になります。では、合成界面活性剤配合のクレンジング剤を使わず、スッキリとファンデーションを落とすにはどうしたら良いのでしょうか?

アトピーの人におススメなのは“オリーブオイル”です。オリーブオイルは、メイク化粧品となじみやすく、なおかつ酸化しにくいので、クレンジングにぴったり。さらに、薄くなっくしまった皮脂膜の代わりにもなってくれるのです。

オリーブオイル配合のクレンジング剤も多くありますが、洗い流しやすくするために合成界面活性剤が入っているものがほとんど。食用のオリーブオイルなら、精製されているので比較的安全性も高く、しかも市販のクレンジングよりも高コスパなのも魅力でしょう。

オリーブオイル・クレンジングの4ステップ

  1. オリーブオイルを顔全体にのばす
    オリーブオイル大さじ1杯を手のひらにのせ、顔全体にまんべんなくのばします。目元や口元はていねいに、あとはやさしくなじませるくらいで十分。
  2. ティッシュで余分な油を拭き取る
    オリーブオルがしっかりと行き渡ったら、ティッシュで余分な油を拭き取りましょう。皮膚に刺激を感じるようなら、湿らせたコットンを使ってください。拭き取らずに洗い流そうとしても、油と水は混ざらないので、肌がベトベトになってしまうので注意。
  3. ぬるま湯or蒸しタオルでオフ
    キレイに拭き取ったら、ぬるま湯で洗い流すか、蒸しタオルで拭き取ります。オイルが残っていると症状が悪化することもあるので、はしょらずていねいに。
  4. 保湿剤を塗る
    最後に、親水ワセリンなどの保湿剤を塗ります。

オリーブオイルを選ぶときは、緑色よりも黄金色に近いものを選ぶと安心です。これは、オリーブオイルに含まれるポリフェノールは辛味成分でもあるため、肌に一時的に刺激を与える場合がありますが、黄金色に近いものほど、ポリフェノール含有量は低いため。

ただし、アトピー性皮膚炎の人の中には、オリーブオイルでもかゆみが出たり、炎症を起こしてしまう人もいます。もし、症状が悪化してしまったら、直ちにオリーブオイルの使用はやめ、かかりつけの医師に相談するようにしましょう。

参考:カルボネール オーガニックエクストラバージンオリーブオイル

カルボネール オーガニックエクストラバージンオリーブオイル出典:Amazon

コールドプレス製法一番絞りの、エクストラバージンオリーブオイル。原料のオリーブは、化学肥料などを使わず無農薬栽培で作られています。EUの有機農産物規定に従って作られた、有機JAS認証品です。スペイン・アンダルシア産

洗顔料は使わない

「メイクをした日は、クレンジングと洗顔の2回も顔を洗う」という人も多いでしょう。しかしこれでは、合成洗剤で2回も皮膚の皮脂膜を洗い流していることに・・・。丈夫な肌の人ならまだしも、アトピーでデリケートな肌の人が、W洗顔を続けていたら皮膚がどうなってしまうでしょうか。

アトピー性皮膚炎の人は、石けんや洗顔料を使用した洗顔はおススメできません。フィニシングパウダーなら、基本的にはぬるま湯で洗い流す程度で十分落とせますし、ファンデーションを使った場合でも、先ほどの“オリーブオイル・クレンジング”なら、その後の洗顔は必要ありません。

もし、小鼻や額、おでこなど、ザラつきやベタつきが気になるようなら、“重曹水拭き取り洗顔”がおススメ。

“重曹水拭き取り洗顔”は、重曹水(重曹1:水9で作ったもの)をコットンにしみこませ、やさしくなじませるだけ。重曹が古い角質や余分な皮脂を取り去るので、一度の洗顔でも気にならないハズです。

石けんも界面活性剤なので、皮膚表面の皮脂膜を洗い流してしまうという点では合成界面活性剤と変わりありません。アトピー症状が軽い人なら、薄い石けん水を肌になじませる程度に使っても良いですが、もし乾燥がひどくなるようなら、石けんの使用はすぐに中止してください。

必ずバッチテストを行う

今まで使ったことのない化粧品を試すときは、必ずその商品のサンブルをもらってパッチテストをしましよう。

パッチテストは、皮膚の敏感な部分(二の腕の内側や手首)にサンプルを直径2㎝程度つけて行います。48時間ほどそのまま放置し、その部分の皮膚に異常がなければ「その化粧品は使用しても大丈夫」という判断になります。

とはいえ、どんな人でも48時間の間に汗をかいたり、お風呂にも入ります。そこで、紳創膏のガーゼ部分にサンプルをしみこませて皮膚に貼ります、これで、汗でサンプルの成分が流れることはありません。入浴の後には、サンプルをしみこませた紳創膏を、新たに用意して貼り替えれば、ちゃんとしたパッチテストを行うことができます。

パッチテストは皮膚の敏感な部分で行いといいましたが、できれば、何も症状が出ていない部位よりも、ちょっと症状が出ていて、もしパッチテストでさらに何か反応が出てしまっても差し支えない部位で試すことをおススメします。

化粧品には、フェノール系化合物などの防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、あるいは着色料としてよく使われているタール色素(赤色〇号など)が配合されています。これらは直接アトピー性皮膚炎の原因にはならなくても、かゆみやかぶれを引き起こして、症状を悪化させるものが多いのです。

何がアトピー性皮膚炎悪化の引き金になるか分かりません。パッチテストは面倒くさがらずに必ず行ってください。

まとめ

合成界面活性剤が配合された化粧品を使っていると、アトピー性皮膚炎の根本治療は困難になるので、スキンケア化粧品もメイクアイテムもできるだけシンプルにするよう心がけてください。

もし、化粧品を使ってかぶれやかゆみが出たり、アトピー性皮膚炎の症状が悪化したときは、直ちに使用を中止し、使っている化粧品を持って、かかりつけの医師を受診するようにしましょう。


 

この記事に使用している写真は「SWAGGY」から引用させていただきました。

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