201508/15

睡眠時間が美徳に?睡眠ノウハウで仕事効率化アップ簡単テクニック

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insufficient sleep

アナタは、中高生の時にこんな会話をしたことがありませんか?

男子A

「テスト勉強、やってきた?」

男子B「まあ、ソコソコ・・・夕べ寝てないんだ」(ちょっぴり自慢げ)

男子A「へぇ、けっこう頑張ったんだ」

男子B「でも、もう眠くて眠くて、テスト中に寝ちゃいそうだよ~。」
(チラッと自信のある余裕をのぞかせる)

日本では、睡眠時間を削って仕事や勉学に励むことを美徳とする風潮・精神性が、かなり根強く残っています。

「寝ずの努力」が実を結ばない理由

居眠りする安倍晋三首相

公立小学校に必ずといって良いほどある二宮尊徳像や、戦時中の軍国主義による勤労奉仕のスローガンにも、高度成長期のモーレツ社員、バブル期のCM「24時間戦えますか?」というキャッチフレーズも、すべて睡眠時間を削って仕事・勉学に励むことを美徳としている象徴的なものばかりです。

そのため、ブラック企業や過労死といった睡眠時間を削ることに対するマイナスイメージが多少ついてきたとはいえ、いまだに世の中には、「寝ていないこと」を自慢げに話す人が少なくありません。

社会人になっても、
「いやあ、昨日、徹夜しちゃってさぁ」、「ここんとこずっと午前様なんだよ」
みたいな言葉を、少し自慢げなニュアンスを含みながらロにしている人をよく見かけます。

きっと、そういう人は「寝ていないこと」を「自分が頑張っていることの証」のように感じているのでしょう。寝る間も惜しんで勉強や仕事に打ち込んだ自分のことを、ちょっと誇らしく思っているのかもしれませんね。

寝ない人はいい結果を残せない

ろくに寝ないで勉強したBも、テストで思うような点数をとれなかったハズ。しょっちゅう徹夜をしていたり、いつも睡眠不足だったりする社会人も、おそらくその頑張りが報われず、仕事で目立った成果を上げられずにいるのではないでしょうか。

理由は実に簡単。「まったく逆のことをやっているから」なんです。

人間は寝なければ活動できないし、脳も体も寝ないと本来の働きをすることができません。ろくに寝ていなければ、パフォーマンスがガタ落ち。頭はボーッとして働かず、注意力散漫でミスが多く、体の動きや反応も鈍い・・・:そんな状態で仕事やテストに臨んでいては、結果が出るほうが不思議というもの。いくらがんばっても結果が出せないのは、ごく自然なことなのです。

つまり、「寝る間を惜しんで」頑張れば頑張るほど、「いい結果から遠ざかっていく」ことになるのです。いい結果を残したいなら、しっかりと寝ることを優先しなくてはなりません。寝ないで頑張るのは、ムダな頑張りであり、 わざわざ悪い結果を招くためにしているようなもの。いい結果を出そうと睡眠を削って一生懸命頑張っているつもりでいても、まったく逆の結果を招いてしまっているワケです。

最高の成功ハウツーは「睡眠」!

最近は、成功や幸せを少しでも手に入れようと、自由になる時間を自分のステップアップのために費やす人が増えています。スキルを磨いたり資格を取ったりするために、勉強したり学校に通ったりしている人も珍しくありません。そういう努力は立派ですが、睡眠を犠牲にしているなら、かえって悪い結果を招きかねないことも知っておく必要があります。

睡眠というベースが崩れたままでは、大した成果は得られません。日々の仕事や勉強も、健康や美容も、すべては睡眠というベースがしっかりしていて初めて、良い方向に回っていくものであって、睡眠を削って頑張ったところで、結果的に得なことはないでしょう。

日々の睡眠を犠牲にしておきながら「頑張って上を目指そう」というのは、ガソリンを入れずに車を走らせようとしているようなもの。まさに本末転倒ですよね。優先すべきものを間違っているのです。アナタは、睡眠というガソリンを入れないで、身体という車を無理に走らせようとしていませんか。

ステップアップしたいなら寝ることが最優先

今も昔も、書店では、様々なタイプの「成功ハウツー本」が売られています。その多くは、仕事のやり方や時間の使い方などを工夫して、仕事や人生においてよりステップアップを目指そうというもの。

しかし、世界中のどんな成功ハウツーより、いちばん役に立つのは「ちゃんと寝ること」です。より上を目指すのであれば、日々ぐっすりと眠ることを最優先にする必要があります。仕事術や時間術のノウハウを学ぶ以前に、ちゃんと寝ることができていなければ、成功どころではありません。

これからの人生、仕事ができるようになりたいなら、いい結果を出して成功を手にしたいなら、まずはしっかり寝る習慣を身につけること。少なくとも、これからは、「寝ていないこと」を自優げに話しているようではナンセンスです。

いい成果を望むならちゃんと寝ていて当然。「寝ていないこと」を誇らしげに語るのは、「自分は仕事ができない人間だ」ということをわざわざ吹聴して回っているようなものなのです。

脳&身体のパフォーマンスを維持するための ベストな睡眠時間は?

睡眠は短すぎるのはもちろん、長すぎてもダメ・・・。では、何時間とるのが一番良いのでしょうか?

現在の睡眠科学では、

  • 健康で長生きしたい⇒6時間~8時間の睡眠がベスト
  • 頭をスッキリさせたい⇒7時間~9時間の睡眠がベスト

という答えがはじき出されています。

この時間の範囲内から、自分に合った睡眠時間を見つけていくワケですが、仕事や家事で忙しい人は、この範囲内で最短時間を選んで、効率的に心身をリフレッシュさせたいと思うかもしれません。

仮に6時間睡眠だと、健康で長生きはできるものの、脳の方はスッキリしないということになります。もし、「健康で長生き」と「頭がスッキリ」を両立させたいなら、7時間睡眠が最短で効率的と言えます。(ただ、これは理論値・理想値であって、もちろん個人差はあります。7時間寝床についても7時間の睡眠を取れるとは限りませんし、体調や環境・疲労度によっても増減するでしょう。)

病気知らずの長生きの元にもなる

とはいえ、「一昨日は4時間睡眠で、昨日は10時間睡眠・・・平均すると7時間睡眠」というのはNG。短眠と長眠を不規則に繰り返すバターンは体のリズムを崩し、かえって心身の健康を損ねやすくなってしまいます。あくまで毎日ほぼコンスタントに7時間睡眠を続けていくようにしてください。

睡眠は、生命活動の最における要のべースです。7時間睡眠を続けて、そのベースをしっかりさせておけば、頭も身体もベストの状態をキープできるだけでなく、病気知らずの長生きにもつながります。

充実した睡眠は、メタボや高血、糖尿病、肥満、動脈硬化、感染症、アレルギー、うつ病、認知症など、さまざまな病気のリスクを低下させ、心臓病や脳卒中などの大病で倒れるリスク減少になります。結果的に、寝たきりや要介護になるリスクもグッと減れば、QOLは格段に上がるハズですよ。

睡眠不足は経済損失が出るほど影響が大きい

睡眠は私たちにとって必要不可欠なものであり、眠らなくてよい人はこの世に存在しないといっていいでしょう。日本睡眠学会によれば、企業に勤務する人3000人を対象にした調査から、睡眠不足が日本にどのくらいの経済損失を与えているか推計した結果があるそうです。

睡眠不足による生産性の低下はおよそ3兆円、睡眠不足を原因とする遅刻、欠勤、交通事故や産業事故で5000億円、日本全体であわせて3兆5000億円もの経済損失が睡眠不足によってもたらされているといいます。

眠れない脳が悲鳴を上げる? 睡眠障害による国内の経済損失は3.5兆円!
睡眠不足がもたらす、こんなセンセーショナルな調査がある。日本大学医学部の内山真教授(精神医学)が、勤労者の不眠症など睡眠に関わる問題が日本経済に及ぼす損失をはじきだした。 HEALTH PRESS

睡眠中は、成長ホルモンやプロラクチンといった生理活性物質を分泌して、疲労で消耗した肉体や組織を修復するための大切な時間です。また、ストレスに対抗するためのストレスホルモン、コルチゾールの分泌を減少させ、逆に体内時計を調節するメラトニンは活発に分泌されます。

脳の中では短期記憶と長期記憶の分類と整理が行われ、目覚めてからの脳の活動に備えます。脳にとっての睡眠をパソコンに例えるなら、不要になったファイルの断片やデータを消去して、ハードディスクの効率をアップするためのデフラグが行われているようなものです。

睡眠は人間にとってとても重要で不可欠なものですが、現代人にとっては別の意味でも重要です。自分の意思で睡眠をコントロールし、脳を効率よく使うことができれば、仕事の効率も見違えるほどアップするでしょう。

睡眠時間も含めたスケジューリングを

仕事を終わらせるために睡眠時間を削るなどというのは本末転倒です。多忙なビジネスマンにとっては、眠ることも仕事のうちと考えて、睡眠時間も含めたスケジューリングをするべきです。

良質な睡眠をとるためには深夜12時前にはベッドに入らなければなりません。就寝時間から逆算すると2時間前の10時には入浴を済ませ、3時間前の9時には夕食を済ませておくことです。

生物にはサーカディアンリズムという生体リズムがあり、人間では体温も一定のリズムで変化します。入眠時には徐々に体温が低下していきますので、入浴直後は体温が高く寝つきが悪くなります。赤ちゃんや小さな子どもが眠くなるとき、手や足が温かくなるのは手足の末梢血管を拡張して熱を逃がして体温を下げるためです。

人間の体は体内時計によって、リズムを刻みながら変化をします。このリズムがサーカディアンリズムです。出典:学研進学サイト

胃の中に食物が残っている状態も、消化活動のために血流が増加して深部体温が下がりません。ですから、遅い夕食時間も寝つきが悪くなる原因です。寝つきの良しあしはその後ぐっすり眠れるかどうかの重要なポイントで、よい入眠は深い睡眠に不可欠なのです。

ちょうどよいといわれる睡眠時間はおおざっぱにいうと6~9時間の範囲内ですが、現在の生活リズムで睡眠不足を感じている人は昼寝や移動中に仮眠をとりましょう。デスクワークならば昼食後15~20分程度、外回りをする外勤であれば移動中の電車やバスの中でとれる仮眠の時間をあらかじめスケジュールに組み入れておきましょう。

深い眠りは大事なストレス解消法

仕事にミスや失敗はつきものですが、いつまでも引きずるのはよくありません。仕事と向きあうときに必要なのはポジティブシンキングと論理思考です。どちらも脳がすっきりしていないと十分に働きません。

コルチゾールの睡眠に関する働き 出典:一般社団法人 日本看護学校協議会共済会

毎日の仕事や人間関係から受けるストレスはコルチゾールというホルモンを過剰に分泌させます。コルチゾールは代謝や免疫機構に係る重要なホルモンですが、ストレスによって過剰な分泌が続くと、脳の記憶を司る海馬を委縮させることが解っています。

メラトニンと睡眠の関係

睡眠はコルチゾールの分泌を抑制し、嫌な記憶を消去して脳をリセット、ストレスを解消するための大切な役割を持っているのです。また、サーカディアンリズムをコントロールするメラトニンは睡眠の質にも深くかかわっており、入眠直後の深い眠りをもたらします。

メラトニンの分泌を促すためには、

  1. 就寝する2~3時間前には部屋の明かりを暗くし、コーヒーなどカフェイン飲料をとらない。テレビやパソコンのディスプレイもオフにしましょう。
  2. 寝室の明かりはできるだけ暗く。窓のカーテンを閉めて、できれば豆電球の明かりも消しましょう。
  3. 朝、起床したらまず窓を開けて太陽の光を浴びましょう。朝が来たことをからだに知らせるのです。

今日深く反省したら、明日には忘れてしまおう

なにかミスを犯した時に反省することは社会人として大切ですが、反省しているだけでは次のステージへ進めません。後悔や反省を長引かせることはかえって仕事の妨げとなり、仕事の効率を低下させます。よく反省して原因を見極めたら、ひと晩ぐっすり寝て翌日には忘れてしまいましょう。

同様に、自分の選択に誤りがあってもくよくよしないことです。後になって「別の選択をするべきだった」と嘆いてみても時間は巻き戻せませんし、失敗をなかったことにはできません。

ミスや失敗によるネガティブイメージは、同様の場面や事象において「また失敗するんじゃないか」という危惧を生みます。このようなネガティブフィードバックによって、失敗を恐れて判断を見誤ったり、間違った方向へ進んでしまうことはありがちです。

失敗があっても、睡眠によって自分の記憶から消し去り、新しい明日にすべてを託すべきです。覆水盆に返らず。眠ることによって、盆に新たな水を満たせばよいのです。

朝の時間帯を活用しよう

深く質の良い睡眠を得るには12時前に就寝しなければなりません。早く眠りにつくことで、必然的に翌朝目覚める時間は早くなりますが、実は朝型人間になることが仕事の効率を向上させる秘訣なのです。

朝型人間となって早朝出社や朝活をする「できるビジネスマン」のイメージですが、実際にはどんなことを心がければいいのでしょうか。

1. 始業時間の1時間以上前に出社する

早朝のうちに出社することで満員電車や渋滞によるストレスを受けずに済みます。大都市に勤める多くのビジネスマンは、満員電車のストレスで始業前からくたくたです。

人間にはそれ以上近づくと不快感を覚えるパーソナルエリア(対人距離)があり、45㎝以下の距離では警戒感が働いてストレスを覚えます。満員電車は肉体だけでなく、精神的にも大きなストレスとなっているのです。

2. オフィスの近くでしっかり朝食をとる

人間がエネルギーとして使える栄養素は糖質、脂質、たんぱく質の3種類ですが、このうち脳で使えるのは糖質のブドウ糖だけです。糖質は貯蔵エネルギー「グリコーゲン」として、肝臓と骨格筋に蓄えられていますが、残念ながら脳ではグリコーゲンを使うことができません。

脳で消費されるエネルギーは全体の18%にものぼるため、血液に含まれるブドウ糖では1時間しかもちません。朝型人間が朝のうちに多くの仕事をこなすためには、朝食をしっかり取って、脳に十分なエネルギー源を補給してあげる必要があるのです。

なぜ朝食をとることが大事なのか?出典:公益社団法人 日本栄養士会

また、朝食をとることで脳内麻薬とも呼ばれるβエンドルフィンが分泌されます。βエンドルフィンは麻薬のモルヒネと同じように、気分の高揚感や幸福感をもたらす神経伝達物質です。脳の報酬系を刺激してやる気スイッチをオンにする物質としても知られています。朝食をしっかりとって脳の活力を高め、朝の仕事効率を最大限アップさせましょう。

3. 始業前にやるべきこと

朝早くオフィスについてやるべき仕事は以下の通りです。

  1. スケジュールの修正
    1週間前にはスケジュールを立てておけ、とよくいわれますが、それでは遅いのです。1年前、半年前、3か月前と、スケジュールは可能な限り早い時期に立てておき、1か月前には確定させておくべきです。もちろん、打ち合わせや仕事の進捗など直前にならなければ確定できないスケジュールもありますが、その場合でもまずは自分の都合を最優先して仮のスケジューリングをしておきましょう。
    スケジュールを立てるときは、スムーズに調整ができるよう、時間に余裕を持たせること、空白の時間帯を設けることを忘れずに。
  2. 見出し人間になる
    始業時間前の必須作業としてメールとニュースのチェックがあげられます。ビジネスマンなら、毎日何百通という膨大な電子メールを受信する人もめずらしくありません。しかし、本当に重要なメール、返信をしなければならないメール、対処作業が必要なメールはそう多くはありません。ニュースも同様で、自分にとって非常に重要なニュースはそれほど多くはないはずです。不要なメールやニュースはどんどん削除して、必要なものには優先順位をつけておく。すぐに対応できないことはToDoリストに記入、ニュースであればブックマークをつけて時間のある時にチェックする。現代の多忙なビジネスマンには、すべての情報を吟味して取捨選択している時間はありません。自分の勘を信じて要らない情報はどんどん捨てましょう。そして、万が一選択に誤りがあっても、ひと晩ぐっすり眠って忘れることです。朝型人間のメリットは毎朝、自分をリセットできるところにあります。
  3. 調べ物も取捨選択
    仕事を進める中での疑問点や不明点の調べ方は、自分にとっての必要性で判断しましょう。情報もそうですが、自分にとって有益で今後も使用するであろう知識や疑問なら、インターネットや文献を使用してじっくり調べましょう。しかし、今後使うことのない知識や特に有益でないと思われる場合には、さっさと人に聞いてしまいましょう。時は金なり、どんな金持ちでも時間をカネで買うことはできません。なにより自分の時間を大切にする感覚を身につけるべきです。

「寝る間も惜しい」人は早死にする!?

人間は一生のうちの3分の1の時間を睡眠に費やしています。

3分の1ってかなり長い時間ですよね。もし85歳まで生きるとしたら、およそ25万時間もの時を睡眠に充てることになります。そのために、昔から人々は、この3分の1の時間をどうにかして、もっと有効に活用できないかと色々と考えてきました。

「3分の1も寝るなんて時間がもったいない!」

もし寝ないで済むなら、あれもこれもできる。これまで寝ていた時間を使って働けば、もっと儲かるかもしれないし、時間とお金に余硲ができれば、もっと遊べるかもしれない。それに、成功や栄達もグッと手元に引き寄せることができるかも・・・!?

そんな“欲”や“下心”に突き動かされて、多くの人が睡眠に充てる時間の割合をどうにか削れないかと、「短眠」を試みてきたわけです。でも、そのほとんどは失敗に終わってきたと言って良いでしょう。

1日や2日なら、ろくに寝ていなくても、勢いで何とかなってしまうこともあります。ただ、それを何日か短眠を続けようとすると、昼間の眠気が強くなったり心身に不調が現われたりして、かえって生産効率が低下することに。それで、結局いつもの睡眠時間に戻ってしまう・・・というのが、だいたいのパターンではないでしょうか。

希少稀なショートスリーパー

もちろん、中には「3時間睡眠」「4時間睡眠」といった短眠習慣を身につけている人もいます。いわゆる「ショートスリーパー」と呼ばれる人たちで、短時間の睡眠サイクルでも通常の心身機能を維持することができるのです。
ただ、睡眠が5時間未満でも大丈夫なショートスリーパーの人は、遺伝的素因が強いとされ、全体のわずか0.5%しかいません。つまり、200人に1人であり、誰もがショートスリーパーになれるワケではありません。

日本人は睡眠時間がもっとも短く、満足度も低い

日本、アメリカ、フランスの睡眠時間の差を比較してみた出典:App-Woman

また、日本人の約20%が6時間未満の睡眠しかとれていませんが、これらの大多数はショートスリーパーではありません。ほとんどの人は日頃の寝不足による心身の不調を自覚していて、休日にたくさん寝たり電車内でうたた寝をしたりすることでかろうじて心身機能のバランスを保っているだけなのです。

このように、短眠によって心身の健康の状態が崩れている人はショートスリーパーとは言いません。しかも、「200人に1人の本物のショートスリーパー」であっても。中長期的に見ると短時間の睡眠によって大きなデメリットを被っている可能性があります。

睡眠時間ごとに10年後に死亡した人のスクを調べた

睡眠時間と死亡リスクの関係を図表にして見比べてみた出典:TBSニュースバード

睡眠時間が短い人ほど寿命が短くなる傾向にある

100万人以上を対象としたアメリカの調査でも、10万人以上を対象とした日本の調査でも、いくつもの疫学調査によって、睡眠時間が短い人ほど寿命が短くなる傾向にあることが明らかになっています。

ただ、睡眠時間が長ければ長いほど良いというワケでもなく、9時間以上寝るようなロングスリーパーの場合も死亡率が高くなることが分かっていて、アメリカの調査では、4時間以下の極端な短眠者、10時間以上の極端な長眠者の死亡率は、平均的な睡眠時間の人の1.5倍~2.8倍に上るという結果も。

つまり、短すぎても長すぎてもダメ。過不足なく適正な量の睡眠をとることが、最も長生きにつながるのです。だから、5時間未満の睡眠でも平気なショートスリーパーも、他の人よりも時間を多く使えるかもしれませんが、その分、寿命が短くなるリスクを、常に背負い続けることになります。

そう考えると、4時間や5時間といった短い睡眠でも平気でいられることも、果たして得なことなのどうか分からなくなってきますよね。結局、人間は大体1日の3分の1、人生の3分の1くらいの睡眠を必要とする生き物ということなのかもしれません。

「超短眠法」は百害あって一利なし!?

スキルアップに関心がある人なら、各メディアで「短時間睡眠法」をうたっている情報を、見聞きすることも多いでしょう。3時間や4時間の睡眠で時間を有効に使って、成功を手にしようというものですが、医学的にみると、そういった短眠メソッドは「百害あって一利なし」、かえって心身の健康が大きく損なわれる可能性が高いのです。

仮に短眠法を身に着けたとしても、起きている間、高いパフォーマンスを出せなければ意味がありません。そもそも「寝ている時間がもったいないから、もっと有効に利用しよう」と頑張るのは、方向が間違っているのです。

 睡眠時間は決し無駄な時間でない意識を持つ

睡眠中、私たちの頭や身体の中では、疲労を回復させて翌日も元気に活動するための、多くの生命現象が着々と進行しています。日中にたまった疲労物質の排出、細胞や筋肉の修復、各種ホルモンの分泌といった、さまざまな作用が複雑に働いた結果、脳や内臓、筋肉の疲れがリセットされているワケですが、そういった睡眠中に行なわれる生命現象メカニズムの重要性を知れば、「寝ている時間がもったいない」とは言えないハズですよね。

心身の疲れは、睡眠なしにはとれませんし、人間は睡眠なしで生きていくことはできません。眠っている時間は、決して“無駄な時間”ではなく、心身をリフレッシュさせるために必要不可欠な“貴重な時間”なのです。

だから、「睡眠時間を短くして浮いた時間で何かをしよう」だなんて思わないで。むしろ、「睡眠時間を短くしたら、心身をリフレッシュさせる貴重な時間が減ってしまう」と、寝る時間を確保することにエネルギーを注ぐべきではないでしょうか。

眠っている時間を本当に有効活用したいのなら、「脳や体がしっかり働けるようになるために必要な時間」をちゃんと睡眠に充てなければいけません。「短眠の習慣は早死にするリスクを高める」くらいのつもりで、適正な睡眠時間をキープするようにしてください。

目指せフィジカルエリート

適度な運動は身体の代謝機能を高め、健康増進に寄与することはよく知られています。また、運動によって脳の活動は活性化され、集中力や処理能力が向上します。それだけでなく、適度な運動は睡眠の質を改善することが判明しました。

ウェアラブル活動量計Withings Pulseのユーザー9000人分の運動時間や睡眠時間などのデータを解析したところ、運動をした日はしなかった日に比べて睡眠時間が長く、就寝時間は56分、起床時間は22分早かったことがわかりました。

睡眠時間のデータ解析出典:Withings

また、運動をした日はノンレム睡眠(深い睡眠)の時間が長く、睡眠中に目覚める回数も減ったということです。運動には睡眠の質を高め、早寝早起きにしてくれる効果があるようです。

運動は良質な睡眠に不可欠なもの。できるビジネスマンはスケジュールに運動も組み入れて、フィジカルエリートを目指してください。

まとめ

睡眠時間と睡眠の質をうまくコントロールするなら、よりスマートな頭脳で仕事の効率化が図れるでしょう。しかし、仕事を効率よく進めるだけではできるビジネスマンとはいえません。仕事の効率をアップすることでどのような結果が得られるのか。その仕事を何分でこなすと、どんな成果をどのくらい手にすることができるのか。

手にすべき成果の達成度こそが評価の基準であり、本当にできるビジネスマンとは、何のために効率をアップするのかをよく理解している人物のことをいうのです。

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