201601/16

花粉症治療を助ける、花粉症アレルギー反応の原因とメカニズム

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花扮症の症状が現れているとき、体の中では、どのようなことが起きているのか?
アナタは知っていますか?

花粉症は、アレルギー反応の1つです。これは、人間が誰しも持つ身体の免疫という機能が関係しています。免疫というのは、細菌やウイルスなどの病原体や、害をもたらす物質などから体を守るためのシステムのことです。これまでの研究で、免疫には体内のたくさんの細胞がかかわっていることが分かっています。

これから、「花粉症が起こるメカニズム」について簡単にご紹介します。少し難しく感じる人も多いと思いますが、「受けている治療がどのような目的で行われているか?」を理解する助けにもなるので、大まかな内容だけでも知っておいて損はありません。

アレルギーの仕組み

「アレルギー」とは、身体に無害な物質にも過剰に反応してしまう状態をいいます。

人間の身体には、外部から信入する異物から身を守る機能があります。鼻水や涙は、鼻や目に入った異物をはじき飛ばしたり、洗い流そうとしたりする防衛反応のために出るもの。花粉症でくしゃみや鼻水、目のかゆみが生じるのは、こうした身体の防衛反応が過剰に働いてしまうからなのです。これを「アレルギー反応」といいます。

細菌やカビ、ウイルスといた「外敵」が身体に侵入すると、体内ではそれらを殺すと同時に、外敵の種類に応じたカギをつくり出します。次に同じ外敵が入ってくると、そのカギが敵のカギ穴にはまり込み、動きを封じて無害化してしまいます。この反応を「抗体抗原反応」といい、カギが「抗体」、外敵が「抗原」です。こうした一連の自己防衛のしくみを「免疫」といいます。

免疫作用で身体に障害がでるアレルギー出典:NAVERまとめ

アレルギー体質というのは、花粉のような無害な物質にも過敏に反応して、抗体をつくってしまう特徴があるためなのです。

アレルギーを引き起こす抗原になる物質を「アレルゲン」といい、特定のアレルゲンに対して免疫反応が過剰に働き、不快な症状をもたらすのが「アレルギー反応」です。もともと身体を守る働きが、逆に身体に害を与える行動をする、免疫システムの暴走というべき反応なのです。

免疫システムはなぜ乱れてしまうのか?

「アレルギー性疾患」は、蓄積された抗体があふれ出し発症します。

花扮症では、花粉という「アレルゲン」に対して「抗体」がつくられます。しかし、抗体がつくられても、アレルギー症状が即現れるわけではありません。抗体が長い間、体内に蓄積され、許容値を超えたときに、さまざまな症状となって現れるのです。

個人の許容値は、しばしばコップの容量に例えられ、それは人によって異なります。もともと、アレルギー体質は遺伝的要素が強いともいわれていますが、さらに、日々のストレスや、食生活の乱れ、睡眠不足や運動不足などが、影響すると免疫のバランスが崩れやすくなります。こうした要素が重なり、抗体が許容値を超えると、コップから水があふれ出るように、アレルギー症状となって現れるのです。

抗体が許容値を超えると、コップから水があふれ出るように、アレルギー症状となって現れる。出典:一条工務店

ひとたびアレルギー反応が始まると、その後はアレルゲンがわずかでも侵入するごとに反応か起こるようになります。(ぜんそくやアトビー性皮膚炎などのアレルギー性疾患も、同じ仕組み。)

鼻の役割と構造

鼻の穴は、「空気を体内に取込むための大切な入り口」という役目を果たしています

ところが、鼻から吸い込んだ空気の中には、ちりやほこり、細菌やウイルスなど、さまざまな異物が混ざっています。その異物を、そのまま体内に取り込んでしまうと、さまざまな病気の原因となってしまいます。そこで、鼻には吸い込んだ異物を排除するしくみがあります。

鼻は、外から入ってくる空気を温め、さらに湿気を与えて、下気道(気管支や肺など)を守る働きをしています。鼻の内側は粘膜になっていて、ネバネバした粘液で覆われています。粘液があることで、鼻の中は常に濡れた状態が保たれ、加温・加湿の役目をすることができるのです。

鼻の中は空洞になっていて、医学的には「鼻腔(びくう)」と呼ばれています。鼻の真ん中には「鼻中隔」という平らな骨があり、鼻腔を左右に分けています。鼻腔の中には上から順に、「上鼻甲介(じょうびこうかい)」や「中鼻(ちゅうび)甲介」「下鼻(かび)甲介」という骨が張り出しています。それぞれの鼻甲介の表面は粘膜で、分泌腺や血管が走っています。

外から取り込まれた空気は、鼻甲介の間を縫うようにしてのどのほうへ送られていきます。その際、鼻の中にある分泌腺や血管が活動し、鼻水を出したり、鼻づまりを起こしたりして異物を中に入れないようにするのです。

鼻の真ん中には「鼻中隔」という平らな骨があり、鼻腔を左右に分けています。出典:最上クリニック

なぜ、鼻にアレルギーが起こりやすいのか?

鼻は、寝ているときも起きているときも、常に外からの空気を取り込んでいます。呼吸の回数は、実に1曰に3万回にものぼるのです。外気と接触する機会が多いということは、それだけ異物が侵入しやすいということです。鼻は休むことなく、常に異物を外へと排出するため働き続けなければはりません。

鼻粘膜の表面には、外からの刺激を敏感に感じ取る「三叉(さんさ)神経」が分布しています。花粉によって、この三叉神径が刺激されると、鼻のかゆみやくしゃみの発作が誘発されます。また、「上鼻甲介(じょうびこうかい)」や「中鼻(ちゅうび)甲介」「下鼻(かび)甲介」、くしゃみを引き起こす「ヒスタミン」という刺激物質を含む肥満細胞が、多く集まっている部分でもあります。

さらに、鼻粘膜には「交感神経」と「副交感神経」も分布しています。

  • 交感神経:血管を取り囲んで血液の量を調節する働きがあり、鼻づまりの原因となる。
  • 副交感神経:主に鼻の分泌腺の周囲にあり、鼻水の分泌をうながす。

鼻粘膜には「交感神経」と「副交感神経」も分布しています。出典:看護師になってみる研究会

くしゃみ・鼻水が起きるメカニズム

「くしゃみ」や「鼻水」は、鼻粘膜で起きるアレルギー反応によって起こります。

鼻毛によって、比較的大きめの異物の侵入を防いでいますが、さらに、鼻の中の粘膜も、異物の排除に重要な働きをしています。粘膜を湿らせておくことで、小さな異物を吸着し、体内に侵入するのを防いでいるのです。

このとき、粘膜に付着した異物が、粘膜にある神経を刺激することがあります。その刺激によって反射が起き、粘膜についた異物を振り落とし、体外に排出させようとして、急激に息を吐き出します。これが「くしゃみ」です。

また、鼻の粘膜の表面には、たくさんの繊毛(せんもう)があります。粘膜についた異物は、繊毛によって鼻の奥に運ばれ、のどへと集められ、せきやたんとともに体外へ排出されます。粘膜についト異物を洗い流すために、大量に分泌されるのが「鼻水」なのです。

鼻の粘膜の表面には、たくさんの繊毛があります。出典:口臭対策ネット

一方、運び出されずに鼻に残った花粉からは、「抗原」と呼ばれるアレルギーの原因となるタンパク質成分が出て、鼻粘膜に浸透していきます。この抗原に、鼻粘膜の組織がくり返しさらされることでアレルギー反応が引き起こされ、鼻粘膜に炎症や腫れが起こり、くしゃみや鼻水といった症状が現れるのです。

鼻づまりのメカニズム

花粉症の症状で、くしゃみと鼻水の次に現れるのが鼻づまりです。「鼻づまり」とは、鼻の粘膜が腫れたり血流が滞って、空気の流れが妨げられ起こる症状をいいます。

花粉症では、鼻粘膜に浸透した花粉の抗原成分によって、「マスト細胞(肥満細胞)」が活性化され、「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」など、アレルギー反応に関わる化学伝達物質(ケミカルメディエーター)という物質が放出されます。すると、鼻粘膜が腫れたり、血流が滞り、鼻粘膜が腫れたりと血沸が妨げられるので、鼻づまりが起こるのです。

鼻づまりは、鼻粘膜が腫れたり、血流が滞り、血沸が妨げられるからです。出典:シーメンス

ふつう、花粉症では鼻の片方ずつつまるのですが、重症化すると両方の鼻が完全につまってしまって、鼻で呼吸することができなくなり、ロを開けて呼吸をしないとならなくなります。口呼吸になると、のどの乾燥や痛み、それらによる睡眠不足など、日常生活にもさまざまな弊害が生じるようになります。

目がかゆくて仕方なくなる理由とは?

花粉症になると、目のかゆみや充血にも悩まされます。症状が起こるしくみは鼻と同様で、目に入った花粉が溶け、体の中に浸透していくことで引き起こされます。目の場合、花粉の成分が浸透していくのは「結膜(けつまく)」という部分です。

「結膜」は、眼球の露出している部分を守り、目の動きをスムーズにする働きをしています。花粉は涙によって溶かされ、その成分が結膜内に浸透していきます。花粉の侵入が続くと培E抗体が作られ、やがて肥満細胞と結合して、「ヒスタミン」などの化学物質を放出し、かゆみや充血を引き起こします。

眼球の露出している部分を守るのが結膜です。出典:なか眼科

目を強くこすることで、ときに、網膜剥離(もうまくはくり)を起こしたり、黒目の部分である「角膜」が傷つくケースもあります。そこまで重症化することはめったにありませんが、いずれにしても早い対処が必要です。また、アレルギー性鼻炎と同様、ハウスダストなどによる「通年性のアレルギー性結膜炎」という病気もあります。

アレルギー性鼻炎に特有の抗体「IgE」とは一体何か?

免疫の働きは、本来、細菌やウイルスといった、外敵から体を守るために起こるこる反応です。細菌やウイルスが体内に入ると、感染症を引き起こし、ときに人間の命をおびやかします。

しかし、アレルギーの免疫反応は、花粉をはじめ食用の卵や大豆、小麦、そばなどによっても起こります。これらは、古くから人間と共存してきており、もともと、人間には害をおよばさないものです。

こういった無害なものに対して抗体を作ってしまうのが、アレルギーの特殊性といえます。アレルギー性の病気で増えるのは「IgE」という抗体です。

花粉が次々と体内に入ってくることによって、「IgE」抗体の量はどんどん増えていきます。これが、鼻の粘膜にある肥満細胞とくっつきます。「IgE」抗体と肥満細胞は、非常に結合しやすいという特性があるのです。「IgE」抗体が一定量に達する、と、肥満細胞が刺激されてアレルギーの症状を引き起こします。

ヒドイ症状は、活動性を高める「ヒスタミン」が原因

花粉症になると、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻や目の強いかゆみなどによって、絶えず落ち着きのない状態になってしまいます。こういった激しい症状の原因は、体内にあるヒスタミンという物質のせいと考えられています。

人間の体では、生命活動を維持するために、さまざまな神経伝達物質が働いています。その1つが「ヒスタミン」です。「ヒスタミン」は、本来、体の活動性を高める役目をするものです。私たちが、日中、頭や体を働かせて充分な活動が行えるのはこの働きによります。しかし、その活動性は、一方で病気による痛みやかゆみなどの症状を強める働きもしてしまうのです。

たとえば、ヒスタミンは胃の痛みが強くなるときにも働いています。花粉症で抗ヒスタミン剤が使われるのは、激しい働きを抑えるためです。薬のせいで眠気が出るのは、ヒスタミンによる活動性が抑えられるからなのです。

抗ヒスタミン薬の作用出典:アットランダム

病気or 正常な鼻づまり?

ネーザル・サイクル(鼻サイクル)とは?

鼻の穴を片方ずつ指で押さえて、交互に鼻から空気を吸ってみてください。どちらかの空気の通り:が悪いと感じませんか?鼻の病気が特にない人でも、どちらか一方の鼻がつまっているということはよくあります。

これは、「ネーザル・サイクル」あるいは「交代性鼻閉」と呼ばれる生理的な現象で、病気ではなく、左右交互に鼻の粘膜が腫れることによって生じます。自立神経のコントロールによって、どちらかの鼻がつまるのですが、どうしてこのような現象が起きるのかは、よくわかっていません。

また、ネーザル・サイクルによる鼻づまりは、ふつう3時間程度の周期で左右入れ替わります。横向きで寝た場合などに、下側の鼻がつまりやすくなるのは、側になった鼻の粘膜がうっ血しやすくなるからです。

健康であれば、このネーザル・サイクルによる鼻づまりは気になりませんが、花粉症などになると、つまる頻度や程度が増して、つらいと感じるようになるのです。

まとめ

花粉症のメカニズムを知れば、市販薬を選ぶときにも役立ってくれます。「よくわからないけど、とりあえずコレ」と選ぶより、ずっと具体的な判断ができるハズ。もちろん、薬剤師さんがいるお店なら、納得するまでアドバイスしてもらってください。

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