201510/02

コーヒーを飲むとなぜ口臭が強くなる?臭いの元を断つ方法と飲み方

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コーヒーを飲むカップル

先日、生まれて初めて「コーヒーを飲んだ後には口臭がする」という噂を耳にしました。自分自身、コーヒー好きで毎日欠かさず飲んでいますが、今までに「口臭がする」という話は聞いたことがありませんでした。そこで、いったいなぜ「コーヒーを飲むと口臭がするのか」をいろいろと調べてみたのです。

すると、コーヒーと口臭の関係についていくつかの仮説があることがわかりました。しかし、いずれも根拠があいまいなものばかり。さらに調査を続けていくと、コーヒーには意外なにおい物質が含まれていることが解りました。コーヒーの気になるにおいのもとはフェノールという化合物だったのです。

しかし、コーヒーの味や香りはたったひとつの化合物によって決まるものではなく、数十種類にも及ぶ物質が生み出すハーモニーによるものです。その中からフェノールのにおいを嗅ぎとれるのはかなり敏感なひとであり、そもそもコーヒーの香り自体が嫌いな人なのかもしれません。

とはいえ、嫌いな人にとっては「納豆並みにたまらない悪臭に感じてしまう」らしいので、口臭がしないコーヒーの飲み方というのも合わせて紹介したいと思います。

コーヒーによる口臭の原因(仮説)

カフェインによる利尿作用

カフェインには利尿作用があり、尿の量が増えて体内の水分を通常より多く排出してしまうといいます。そのため、口の中も唾液の分泌量が減り、乾き気味になります。唾液にはラクトフェリンなど殺菌作用を持つ成分が含まれており、唾液が減ることで口腔内の細菌バランスが崩れ、悪玉菌が増えてしまいます。口腔内の悪玉菌は食べかすを分解して悪臭を発生させ、これが口臭になる、という説。

しかし、この説ではコーヒーを飲んでから口臭がするようになるまで、何時間もかかりそうです。また、利尿作用のある食品はカフェインを含むコーヒーだけではありません。キュウリやスイカなどにも利尿作用がありますし、ビールなどは最たるものでしょう。この説が正しければ、ビヤガーデンなどクサくていられなくなります。

コーヒーを飲むと胃が荒れる説

コーヒーに含まれるカフェインには胃酸の分泌を促進する作用があり、胃壁を荒らしてしまうので、食べ物の消化が悪くなり口臭のもとになる、という説。しかし、胃酸の分泌が即、潰瘍につながるわけではありません。

20年前から比べると胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者数は大きく減っていますが、これは胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因がピロリ菌であることが解り、治療法が大きく変わったためです。胃酸の分泌を促すことが「過剰に分泌されること」や「潰瘍の原因」とイコールではないのです。また、消化吸収が悪くなることと口臭の原因とが直接結びつくことはありません。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者数の推移出典:一般社団法人全日本コーヒー協会

カフェインのその他の作用

ほかにもカフェインに関しては覚せい作用によりコルチゾールとアドレナリンが過剰に分泌されて自律神経のバランスが崩れる、とか、血管を収縮させるので歯ぐきの血流が悪くなり歯周病菌や虫歯菌が増えて口臭のもとになる、とか、不眠になって免疫力が低下して口の中の悪玉菌が増える、などちょっとびっくりな仮説も多くみられます。

このようなことが本当に起こるなら、口臭どころではありません。すぐに病院やクリニックを受診すべきでしょう。これらのトンデモ仮説はさておき、次の説はちょっと気になります。

口の中が酸性になるから説

おそらく以下の文章が拡散されて、この説が定着したのではないかと思われますが、

コーヒーは、焙煎された褐色のコーヒー豆の微粒子がたくさん入っています。これらが舌の表面を構成する舌乳頭に付着しやすい事。また、コーヒーは著しく口 の中のpHを低下させると同時に飲みすぎると唾液分泌を抑制するからです。口の中のpHが低下すると口臭を引き起こしやすい環境を作っていきます。
コーヒーの味の特徴は、その酸味と渋みに成ります。酸味は口腔内pHの低下を起こし、渋みは唾液分泌を抑制します。
ほとんどの人は、コーヒーにミルクや砂糖を入れるので、これらも一緒に舌表面に残留し、唾液が少ないと飲んだ直後は、コーヒーのよい香りが残っています が、しばらくすると舌に残ったコーヒーの焦げ臭い焙煎成分とミルクや砂糖の分解による臭気が混じって特有の口臭を引き起こしやすくなります。
舌表面に残っている成分がなくなり、口腔内のpHが元の通りに唾液によって緩衝されると自然に臭気はなくなります。
コーヒーを飲む時は水を用意しておき、飲み終わるとすぐに水を口に含み、舌表面を口の天井でゴシゴシして、コーヒーの味や香りを完全にその都度取り除く事です。
最後に、水を少し含みコーヒーの味が残っていない事を確認して飲んでください。 Yahoo知恵袋

この文章の中でコーヒーは口の中のpHを著しく低下させると同時に唾液分泌を抑制する、とありますが、唾液のpHは6.8程度でコーヒーのpHは5~6くらいです。コーヒーでなくとも、食事のたびに口の中のpHは酸性に傾きます。しかし、唾液の働きで1時間ほどで元にもどります。

歯はpH5.5以下になるとエナメル質の成分が溶け出し、むし歯になりやすい状態になります。出典:公益財団法人ライオン歯科衛生研究所

また、コーヒーの味の特長は酸味と渋みにあるとしていますが、コーヒーの味は苦み、酸味、甘味、こくが複雑に絡み合って醸し出されるものです。特定の味質だけを取り上げるのは無理があるでしょう。ちなみに酸味は唾液の分泌を促します。

ただ、気になるのはコーヒーの粒子、つまりコーヒー豆のかすが抽出したコーヒーに混入して舌に残る、という点です。ただし、ミルクや砂糖も残るのでこれらも口臭のもとになる、というのは違うと思います。もしそうなら、ココアや紅茶でも口臭がする可能性があるからです。

しかし、コーヒーのにおい物質が舌や歯の表面に残り、それが不快なニオイを発生させているとしたら…?

口臭が緩和されるコーヒーの飲み方

 深煎り焙煎のコーヒーは避ける

深煎りのコーヒーは苦みが強く、香ばしさがあって好まれる方も多いでしょう。しかし、深煎りではHHQなどフェノール類の雑味が強く、舌に残るフェノールのにおいは、苦手な人にとっては耐え難いかもしれません。この際、深煎り焙煎はやめて、アメリカンローストとも呼ばれる、すっきりとした中煎りコーヒーを選んでみてはどうでしょうか。

  • コーヒーのロースト3種類、ミディアムロースト(アメリカンロースト)、スタンダ ードなシティロースト(軽めの深煎り)、イタリアンロースト(エスプレッソやカプチーノなど)ミディアムロースト(アメリカンロースト)
  • スタンダードなシティロースト(軽めの深煎り)
  • イタリアンロースト(エスプレッソやカプチーノなど)

カフェラテよりもカフェオレを

カフェラテはイタリアで一般的なスタイルで、コーヒーと牛乳を混ぜたもの。日本でもスタバやタリーズのスチームミルクを使ったラテが人気です。でも、ラテに使われるコーヒーは深煎り度maxのイタリアンローストを使用したエスプレッソ。HHQもふんだんに入っていそうです。

なので、エスプレッソではなくドリップコーヒーを使用したフレンチタイプのカフェオレがおススメ。パリの雰囲気が、イタリアンのラテより優雅だと思いませんか?

低温焙煎を試してみる

普通、コーヒー豆の焙煎は高温で行われ、煎る時間によって浅煎りか深煎りか決まります。時間が短いほど浅煎りで、香りはあまりたちませんがコーヒー豆の甘味やすっきりした酸味が楽しめます。しかし、コクや香ばしさを求める人には物足りなく感じるでしょう。

そんな方は低温焙煎のコーヒーを試してみてはどうでしょうか。低温焙煎は高温の深煎りのような香ばしさはありませんが、豆本来のうまみとコクは深煎りに負けていません。すっきりとした味わいなのに深いコクも併せ持つ低温焙煎。一度試すと病みつきになるかもしれませんよ。

珈琲による口臭というものをつい先日まで認識していませんでしたが、いろいろと調べていくうちに思い当たることが多くなりました。しかし、それは口臭ではなく、コーヒー自体の香りや味についてです。安物のドリップパックなどは、開封したときはコーヒーの香りですが、煎れてみると香りも味もぜんぜんしません。それどころか、いわゆる雑味や薬品臭さすら感じてしまいます。

コーヒー好きならそれでもがまんできる範囲ですが、コーヒーの嫌いな人だったらどうなんだろう?と考えるようになったのです。誰しも苦手な食べ物や飲み物は少なからずあるはずで、嫌いなもののにおいには特に敏感になるものです。もしも、それがコーヒーだとしたら…。

実は、「コーヒーはいい香り」というのはコーヒー好きの思い込みで、コーヒー嫌いの人にとっては単なる刺激臭でしかないのかもしれません。こちらのアンケートではコーヒー好き75%に対して「コーヒー嫌い」が10%でした。

コーヒーは好きですか?

コーヒーが好きなのか?調査した結果です。出典:@nifty何でも調査団

コーヒーのにおいのもととは?

コーヒーには多くの化合物が含まれ、複雑な味と風味を醸成していますが、なかでもクロロゲン酸というポリフェノールがその主役だと考えられています。クロロゲン酸はコーヒーに含まれるカフェ酸とキナ酸が結合した化合物で、コーヒーの風味はクロロゲン酸が多いと渋く、少ないと酸味を感じるといわれます。

実は、コーヒーのクロロゲン酸は、生豆のうちは多く含まれていますが、焙煎するとかなり少なくなってしまいます。

コーヒーに含まれる成分を生豆と焙煎豆とで比較をした。出典:一般社団法人全日本コーヒー協会

逆に、焙煎の度合いが深くなるにつれて増えてくる物質があります。それがヒドロキシヒドロキノン(HHQ)と呼ばれる化合物です。

コーヒー豆の焙煎による成分変化表出典:花王 コーヒー風味成分の探求

クロロゲン酸には血糖値の上昇を抑制したり、肝臓での脂肪燃焼を促進するという健康効果が知られていますが、花王の研究ではクロロゲン酸の代謝物であるフェルラ酸には血管を拡張して血圧を正常化する作用があるそうです。しかし、HHQはクロロゲン酸の血圧降下作用をじゃまするのです。

そこで、花王では特殊なフィルターを使用してHHQなどの雑味成分を吸着し、クロロゲン酸が高濃度となるような製法を考案しました。そして、この製法で作られたコーヒーを用いた風味実験を行ったのです。

通常の焙煎コーヒーとフィルターによって雑味成分を提言した高濃度クロロゲン酸コーヒーで「口に含んだ時の苦み」「飲み込んだ後、舌に残る苦み」「喉の奥で感じる香り」を評価しました。

すると雑味を除去したコーヒーは苦みを感じている時間が短く、喉の奥で感じる香りが長く持続する、という結果が出ました。このことからいえるのは、不快な苦みはHHQなどの雑味成分がもたらしていたということです。

花王によると、焙煎によるクロロゲン酸類とヒドロキシヒドロキノン(HHQ)の変化を検証しました。ヒドロキシヒドロキノンは別名をトリヒドロキシベンゼンともいい、タールなどに含まれ強い毒性を持ちます。通常のコーヒーに含まれる量では健康に影響することはありませんが、動物実験では発がん率の上昇が報告されています。

実はコーヒーにはHHQのほかにもピロガロールやカテコールといったフェノール類が雑味成分として含まれています。フェノールとは昔の水彩絵の具や消毒薬に使われていた薬品で、濃度の高いものは強烈な薬品臭がします。

フェノールの和名は石炭酸といい、昔の人は強烈な刺激臭を例えるときに「石炭酸のような」というように表現したそうです。自分自身、安物のコーヒーに時おり薬品臭を感じることがありますが、刺激臭が苦手な人はフェノール類の臭いを敏感に感じ取るのではないでしょうか。

まとめ

私は缶コーヒーはめったに飲まず、もっぱら自宅かカフェで飲でんいますが、コーヒーを一口飲んだら必ず水を口に含むようにしています。口臭予防ではなく、歯に着色するからですが、この方法はコーヒーのにおい消しにもいいと思います。

でも、これからは大事な会議、面談など人と会う前にコーヒーを飲むのは控えるようにしたいと思います。

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